緑内障は初期から中期の場合、
自覚症状がほとんどみられず、
自分で緑内障かもしれないと眼科を受診する人はあまりいません。
緑内障は他の病気同様に、早期発見が重要です。
緑内障の場合は、完全な治療は不可能ですが、
失明やそれに近い状態を防ぐことは可能です。
緑内障を早期発見し、失明しないためには、
定期的な緑内障検査に越したことはありません。
緑内障検査の1つが眼圧検査。
職場の健康診断などでも眼圧検査が行われることがあります。
緑内障に関して、眼圧はとても重要な位置を占めます。
眼圧が高い場合、眼球が周囲の組織や
神経を圧迫してしまいます。
視野や視覚を脳に伝える視神経も、
眼圧が高ければそれだけ負担がかかり
傷ついてしまいます。
そのことから緑内障の治療は眼圧をコントロールし
視神経が傷つかないにする方法が主に取られています。
眼圧を下げる方法は
薬、レーザー治療、手術と大きく分けて3種類あります。
緑内障は手術が怖いという人もいますが、
手術に踏み切る前に、まずは点眼薬か内服薬で
房水の流れを促進したり、房水の量を減らします。
それでも効果が見れない場合にレーザー、
最終的に手術と段階を踏んで行きます。
手術も技術の向上や麻酔の効果により、
痛みはほとんどありません。
レーザー治療は数分程度で終わり、
入院も必要ありません。
しかしやはり一番負担が少ないのは薬のみの治療です。
緑内障を初期で発見し、
眼科へ定期的に通っていれば、
薬のみで済む可能性も充分にあります。
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眼圧が高いとどうなる？
眼球は液体(房水)に満たされてボールのような形を維持しています。
この房水は血液のように眼球や角膜などに
栄養を運ぶ役割があり、
水晶体のすぐ傍にある組織、
隅角や線維柱帯、シュレム管、を循環しています。
何らかの理由で隅角が急に閉じてしまったり、
線維柱帯やシュレム管が目詰まりを
起こしてしまったりすると、
房水の循環が悪くなります。
房水の流れが悪くなるというのは、
眼球内に入った房水が排出されにくくなることを意味します。
そうなると眼球内に房水が過剰に溜まる状態になります。
この状態が高眼圧です。
高眼圧となった目は視神経も圧迫し、緑内障になります。
他にも
- 目が痛い
- 目がかすむ
- 頭痛
- 吐き気
などの症状が見られる場合があります。
高眼圧症イコール緑内障とは限りません。
しかし眼圧が高い場合は、
視神経も圧迫しているおそれがありますので、
緑内障検査を受けておくべきでしょう。
眼圧が低いとどうなる？
逆に眼圧が低い場合は、どうなるのでしょうか？
房水で眼球がパンパンに膨らんだ状態を
高眼圧と呼ぶのとは逆に、
低眼圧とは眼球内の房水が極端に少ないことです。
正常値の最低値である10mg以下が
一般的に低眼圧状態と呼ばれます。
眼球が極端に低い、
つまり眼球内の房水が少ないということは、
眼球の形をボール状に維持できません。
萎んだボールや風船をイメージすると分かるように、
眼球全体がしぼむと網膜もシワが寄って縮んでしまい、
網膜剥離が疑われます。
低眼圧の異常に低い状態は、自然になることはまれです。
- 緑内障の手術をして房水が過剰に漏れ出てしまった
- 目に怪我を負った
- 脱水症
などの外的原因で低眼圧が見られることがあります。
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眼圧の正常値はどれくらい？
一般的に10から21mmHgが正常な眼圧の値とされています。
22mmHg以上の数値、あるいは
9mmHg以下の数値が出た場合、精密検査が行われます。
眼圧が40mmHgとかなり高いと、
目が痛い、まぶたの上から指で軽く触れてみると
カチコチ状態なのがわかる人もいます。
高眼圧の場合は視野検査や眼底検査などの
緑内障の検査を行い、低眼圧の場合は
網膜剥離などの精密検査が行われます。
健康診断などの眼圧検査で再検査、
精密検査の指導が出た場合、絶対に近日中に受けましょう。
正常眼圧緑内障は眼圧は関係ない？
日本人の場合、緑内障のおよそ7割は眼圧が
正常値であるにもかかわらず、
視神経に負担がかかってしまう「正常眼圧緑内障」です。
正常眼圧緑内障の場合、
眼圧は正常値なのだから眼圧を気にする必要はないか、
と言えばどうとは言えません。
正常眼圧緑内障の原因である眼底の視神経乳頭の変異も
眼圧によるケースもあります。
また眼圧をコントロールする薬の服用、
点眼によって正常眼圧緑内障の進行も抑えることができます。
正常眼圧緑内障でも眼圧は決して無視できません。
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