緑内障の目薬の種類一覧!大きく分けて2タイプ、あなたはどっち?

眼圧が上がる原因には様々な要素があり、

その原因によって緑内障の中でも細かに分類されています。

緑内障の治療に使われる目薬も、

眼圧の状態や上がり方によって使い分ける必要があります。

眼圧を下げる薬にも様々な成分がありますが、

大きく2つに分けることができます。

スポンサーリンク



1 房水の量を減らす

緑内障は、眼球から目の周辺を循環している

液体(房水)が、何らかの理由によって眼球内に溜まり、

眼圧が高くなることによって視神経が

ダメージを受けて視野狭窄などが起こる病気です。

眼圧を下げる方法の1つには、

眼球内に流れ込む房水を減らすというものがあります。

・β遮断薬/β1遮断薬

眼圧は自律神経も大きく関わっています。

自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、

興奮して交感神経が刺激されると、

β受容体がはたらき、房水が眼球内に流入する量が増え、

眼圧が上昇すると言われています。

β遮断薬とはβ受容体を遮断し、

眼球内に房水が流入する量を減らす作用があります。

・β遮断薬の商品名(薬品名)

ミケラン(カルテオロール)

ミケランLA(塩酸塩)

チモプトール(チモロールマレイン塩酸)

チモプトールXE(チモロールマレイン塩酸)

リズモンTG(チモロールマレイン塩酸)

β1遮断薬の商品名

ベトプティック(ベタキソロール塩酸塩)

ベトプティックエス(ベタキソロール塩酸塩)

・炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)

炭酸脱水酵素は、体中のあらゆる場所にある酵素で

目には毛様体の中にあり、房水の生産に関わっています。

炭酸脱水酵素阻害薬は、

その名の通り

炭酸脱水酵素のはたらきを阻害し、房水の生産量を抑制します。

β遮断薬が承認され、緑内障の治療に使われる前までは、

この炭酸脱水酵素阻害薬が内服薬として使用されていました。

しかし副作用が強いため、作用は弱くなりますが

点眼薬として使用されるようになりました。

炭酸脱水酵素阻害薬の商品名

エイゾプト(ブリンゾラミド)

トルソプト(ドルゾラミド塩酸塩)

・β遮断薬と炭酸脱水酵素阻害薬の配合

片方だけの点眼薬では眼圧のコントロールが

難しい場合は、β遮断薬と炭酸脱水酵素阻害薬の

両方を配合した目薬を使用します。

配合薬が使用される前は、

β遮断薬と炭酸脱水酵素阻害薬の

2種類の目薬をそれぞれ処方されていました。

2種類の配合薬は点眼が1回で済み、

房水の流入と生産量の2つの原因を

抑制することが期待できます。

配合薬の商品名

コンプト(ドルゾラミド塩酸塩、チモロールマレイン塩酸)

アゾルガ(ブリンゾラミド、チモロールマレイン塩酸)

スポンサーリンク



2 房水の通りを良くする

房水は眼球内と目の周りの組織を循環しています。

房水を排出するのは、

主に線維柱帯とシュレム管という器官で

その下にはぶどう膜強が存在します。

眼圧が高くなれば房水の排出量を上げて

眼圧を調整するようにできています。

何らかの原因で隅角が狭まったり、

線維柱帯に汚れが詰まってしまうと房水の流れも悪くなり、

眼圧を上げることになってしまいます。

房水の通りを良くする点眼薬は、

房水の主経路であるシュレム管を広げたり、

副経路のぶどう膜強膜へ促すことによって、

眼圧をコントロールします。

・プロスタグランジン製剤(PG製剤)

プロスタグランジン(PG)には血圧低下、筋肉収縮作、血管拡張などの用があります。

緑内障の治療にもこれらの作用を利用し、さらにぶどう膜強膜への排出を促して眼圧上昇を防ぎます。

プロスタグランジン製剤の商品名

ルミガン(ビマトプロスト)

トラバタンズ(トラボプロスト)

トレスキュラ(イソピルプロウノプロストン)

キサラタン(ラタノプロスト)

タプロス(タフルプロスト)

・副交感神経刺激剤

副交感神経を刺激すると縮瞳作用が起こります。

瞳が縮むと隅角も広がるので、

シュレム管も連動して広がり房水の流れを良くします。

副交感神経刺激剤の商品名

サンピロ(ピロカルピン塩酸塩)

・抗コリンエステラーゼ剤

副交感神経剤同様、縮瞳作用によりシュレム管の圧迫を抑えて房水を流れやすくしています。

抗コリンエステラーゼ剤の商品名

ウブレチド(ジスチグミン臭化剤)

しかし抗コリンエステラーゼ剤は副作用が強く、副交感神経刺激剤のサンピロが承認されてからは、ほとんど使われなくなりました。

・α1遮断薬

交感神経はαとβがあります。

α受容体の刺激を遮断すると、ぶどう膜強膜へ房水の排出を促す作用が期待できます。

α1遮断薬の商品名

デタントール(ブナゾシン塩酸)

・Rhoキナーゼ阻害薬

ROCK阻害薬とも。

シュレム管や線維柱帯の形状を変化させたり、周辺細胞の接着を防いだりすることによって、房水の流出を促します。

Rhoキナーゼ阻害薬の商品名

グラナテック(リパスジル塩酸塩水和物)

房水の量を減らす、房水の排出を促す点眼薬を配合

緑内障の進行具合や持病によっては房水の量を減らす、

房水の排出を促す薬を配合して処方される場合があります。

・交感神経刺激剤

交感神経剤は、α受容体とβ受容体の両方にはたらきかけ、房水の量の減少と排出の促進を同時に作用させます。

交感神経刺激剤の商品名

ピバレフリン(ジピベフリン塩酸塩)

・α1β1遮断薬

先述したα1とβ1遮断薬を配合した点眼薬。

房水の量の減少と、ぶどう膜強膜への房水の促進の効果があります。

α1β1遮断薬の商品名

ハイパージールコーワ(ニプラジロール)

ニプラロール(ニプラジロール)

ミロル(レボブノロール塩酸塩)

・α2作動薬

房水の生産量の抑制、ぶどう膜強膜への排出の促進両方の作用をもつブリモニジンが配合されています。

副作用が少ない、他の点眼薬との併用も可能な特徴があり、緑内障治療薬として注目が高まっています。

アイファガン(ブリモニジン塩酸塩)

どのタイプの点眼薬を使う?

房水の量を減らしたり、排出を促す薬それぞれに、

効力の現れ方や副作用が違います。

また患者の体質によっても効き方や副作用の強さ、

他の薬との併用なども考慮されるので、

同じ緑内障でも処方される薬は人によって違いがあります。

眼科医には病歴や持病、現在服用している薬、

アレルギーなど体のことは包み隠さず伝えましょう。

スポンサーリンク



スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする